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【失恋】失恋したときにこそ読んでほしい本「愛するということ」【書籍レビュー】

 こんにちは。ベレです。

 

 今日は、私が失恋した折に読んだ本、エーリッヒ・フロムの「愛するということ」の、心に刺さった2つの名言をご紹介します。

 

 失恋したあなたに、読んでほしい。

 恋愛について、もう一度考えようと思っているあなたに、読んでほしい。

 そんな本です。

 

 恋愛の経験がない人がいきなりこの本を読んでも、内容のすべてを理解することは難しいでしょう。フロムの本は、どれも難しい本ばかりです。しかし、一度誰かを真剣に愛したあなたなら、この本の内容が理解できるのではないかと思います。ぜひ、読んでみてください。

 

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目次(ページ内リンク)

1.この本の概要

2.心に刺さった2つの名言

 Ⅰ.愛と恋の違い

 Ⅱ.自己愛について

3.まとめ:今一度「愛」について考えてみよう

 

1.この本の概要

 本題に入る前に、 まずは、この本についてざっくり説明いたします。

 

 タイトルから勘違いされる方が多いのですが、この本は、恋愛における男女の駆け引き(デートはどこに行くべきとか、異性のどこを褒めるべきとか)について書かれた、いわゆる恋愛指南書ではありません。この本の冒頭にはこのようなことが書いてあります。

愛するという技術についての安易な期待をしてこの本を読む人は、きっと失望するに違いない。そうした期待とはうらはらに、この本が言わんとするのは、愛というものは、その人の成熟度合いに関わりなく誰もが簡単に浸れるような感情ではない、ということである。

  この本に書かれていることは、大きく三つに分けられます。

 

 「愛とは何か」

 「どのような種類の愛があるか」

 「人を愛するためにはどうすればよいか」

 

 それぞれの内容について詳しくお話したいところですが、著作権の問題があるので、あまり多くは語れません。詳しく読みたいと思った方は、オンラインショップにてお買い求めください。

 2019年に第40刷が出ている、古典の名作です。

愛するということ 新訳版

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本棚

1.心に刺さった2つの名言

 では、ここから、私の心に刺さった名言を2つ、厳選してご紹介します。

Ⅰ.愛と恋の違い

誰かを愛するというのはたんなる激しい感情ではない。それは決意であり、決断であり、約束である。もし愛がたんなる感情にすぎないとしたら、「あなたを永遠に愛します」という約束にはなんの根拠もないことになる。感情は生まれ、また消えてゆく。もし自分の行為が決と決断にもとづいていなかったら、私の愛は永遠だなどと、どうして言い切ることができよう。

 

 恋とは、落ちるもの。さっきまで二人の間にあった他人という名の壁が突然消え去るという、夢のような体験です。

 対して、愛とは、育むもの。「パートナーを愛する」という確固たる決意・決断のもとに、それを何としてでも実行しようとする覚悟のあらわれです。

 

 別れた恋人の話です。

 赤の他人だった目の前の人間が、突然、恋人になる衝撃。あの胸の高鳴りはまさに夢のようだと形容するにふさわしい体験でした。

 この人(私の恋人)は自分の生涯のパートナーだ。運命の人だ。何があっても別れることはないだろう。そう思っていました。

 

 そんな大げさな、と思われる方いるでしょうが、当時の私は本気でそう思っていました(笑)。

 

 蓋を開けてみれば、3か月しか続きませんでしたが。

 

 この文章を読んだとき、気づかされました。

 私は、自分が恋と愛を混同していたこと。そして、自分にパートナーを「愛する」という決意が固まっていないまま付き合い始めたこと。

 もう死んでも死にきれない。寿命を売ってでも過去に戻りたいといったらさすがに過言ですが、それくらい後悔しています。

 当時の私は、付き合いたての高揚感・多幸感がずっと続くものだと思っていたため、愛を育む努力を怠ってしまっていたように思われます。フロムの言葉を借りて言えば、私には「愛する決意」が足りなかったのです。

 

  「愛する決意とか大げさなことを言っているが、自分の恋人を愛するのは当たり前のことだ」と思われる方がいるでしょう。私も、人を愛すことくらい当然できると思っていました。

 ですが実際は違いました。恋愛は、自分が想像しているよりも遥かに難しいものだと、私は身をもって知りました。

 恋愛は、難しいものです。失敗の一つや二つ、誰にでもあります。

本を読む少女

Ⅱ.自己愛

自分の人生・幸福・成長・自由を肯定することは、自分の愛する能力、すなわち気づかい・尊重・責任・理解(知)に根ざしている。もしある人が生産的に愛することができるとしてら、その人はその人自身をも愛している。もし他人しか愛せないとしてら、その人は全く愛することができないのである。

 フロムが自己愛について述べている文章です。

 「自分の愛することのできる人が、本当に人を愛せる人である」と述べていますね。

 これと似たような言葉に、新約聖書の一節があります。

汝のごとく汝の隣人を愛せよ。

  「自分のように自分の隣人を愛しなさい」という意味ですが、ここでも、自分を愛することの重要さが示されています。

 

 人を愛するためには、まず自分を愛している必要があります。

 自分も人間のうちです。自分を愛せない人は、人間を愛することができません。そして、人間すら愛せない人が、「自分の恋人なら愛せる」というのは、あまりにも論理が破綻していますよね。

 私が失恋したもう一つの原因はこれです。

 私は自分が嫌いでした(今もですが)。

 自分のことが嫌いだと、相手の愛を信じることができません。「自分は愛される価値がある」と思っていなければ、相手の愛を素直に受け止めることはできないでしょう。

 相手は自分のどこが好きなのかが、分からなくなってしまうのです。最悪、恋人のことを試すような真似をしてしまうことになりかねません。

 自己愛は、誰かを愛するうえで必要不可欠なものだと、フロムは言っています。

 自分を愛することは難しいことです。ですが、自分を愛すことができれば、その人は人間全員を愛し、恋人も愛せるようになります。

建物

3.まとめ

 

 いかかでしたでしょうか。

 今日は、フロムの「愛するということ」から私の心に刺さった2つの文章を引用しながら、私の失恋の経験のお話をさせていただきました。この経験が誰かの役に立てばと思い、投稿させていただきました。

 この本は名言の宝庫ですから、読んでみたらあなたにぴったりの名言が見つかるかもしれません。

 

 失恋を経験して、あなたは、あなたのすべてを否定されたような気持になってしまっているかもしれません。

 もしかしたら、自分自身の価値を見失ってしまっているかもしれません。

 

 それは、気のせいです。

 あなたは、かけがえのない人です。

 生きているだけで、価値があるのです。

 

 毎日の努力を怠らないようにしましょう。

 継続は力なりです。

 

 最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

 それではまたお会いしましょう。

 

愛するということ 新訳版

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フロム『愛するということ』 2014年2月 (100分 de 名著)

フロム『愛するということ』 2014年2月 (100分 de 名著)

  • 発売日: 2014/01/25
  • メディア: ムック